ハルのお墓

オスのゴールデンレトリバーで名前はハル、12年前に生後一カ月で我が家にやってきた。生き物だから責任があるよと言ったのに、長男は我慢できずに買ってしまった。それでいて5年後には就職していきなり地方勤務になり、飼い主が不在のままで押しつけられた形となった。そのハルが昨年10歳七カ月で亡くなった。平均寿命より5年も早く、死因は肺がんだった。我が家で初めての死別。人と同じように火葬して、遺骨を自宅に持ち帰った。人では喉仏に当たる尻尾の先端だけ残して、土に返そうということになり、六カ月後の年末、庭の一角にお墓を設けた。墓石は20センチ四方厚さ3センチほどの御影石をホームセンターで調達。名前と命日をパソコンでデザインし、カーボン紙で石に写し取ってエナメル塗料で仕上げた。アニメを描く次男に、上出来だ、と褒められた。心を込めたからハルも喜んでくれていると思う。子供の頃から犬は避けてきた方だったのに、いつの間にか距離が縮まり、ハルが人生を豊かにしてくれたと感謝している。ペットとは言えすぐに次は考えられないと、言ったはもののペットロスの心の隙に里親話があり、三カ月後にハルと同じ犬種のゴールデンとチョコレート色のラブラドール、名前はマックスとチョコ、共に6歳を飼うことになってしまった。一頭のつもりが、6年間一緒に暮らしていたこと。チョコは一度里親に引き取られたが、ひどく泣いて出戻りしたこと。そんな説明を当日になって犬たちの前で仲介人から聞いたものだから二頭ともと言ってしまった次第。無茶かなと思ったが、社会貢献だと自分に言い聞かせ、頑張ってみようと思ったのも、いろいろと教えてもらったハルに感謝する気持ちがあったからではないかと。自分と同年配の飼い主が亡くなり未亡人だけでは飼えなくなった。生前二頭のことが心残りであったと聞き、その思いを引き継ぐのも良いかと思った。妻の運転で連れてかえった日は、トイレの場所が定まらず、台所の床に所かまわずされたのにはまいってしまった。倉庫のような仕事場で飼っていた会社犬だったらしく、いわゆる室内犬のハルとは違っていた。ためしに窓をあけとくと庭にすることがわかり、室内トイレは諦めて犬専用の出入り口を作ることにした。ネットをみたが大型犬用のは見当たらず、ホームセンターで材料を物色し、手ごろな半透明のアクリル板と隙間テープで工作して窓にとりつけた。これで

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外気とある程度の遮断ができて夏冬もしのげるようになった。ハルのお墓に続いて、このDIY作品も我ながら上出来かと。必要にせまられると何とかなるものです。

(DIY作品)