7C

マンハッタンの72丁目、イーストリバー沿いにそびえる50階建ての7階C号室。もう少し上の階なら眺めは抜群でも、お値段と高所恐怖を理由に決めた。ワンベットルームでも日本の平均家族用3LDKほどのへーベーはある。NY1というローカル局が何十年に一度の大流星群の接近で、深夜に天体ショーがあると予告していたので見ることにした。一枚ガラスの大きな窓の片隅にアラフィフ単身オッサンが壁にもたれ膝を抱え、多少疑いながら開幕を待つ。間もなくプラネタリウムのように次から次へと光の筋が現れる。誰かとシェア―できたら最高なのに。パートナーも作れない不器用なオッサンにせめてものご褒美として、この状況を写真に収めたパロディーチックな写真展でもやってくれないかと。そんでもって特別賞いただいて。日常に戻りましょう。徒歩5分ほどのスーパーで一本1ドルのフランスパンと牛乳、オレンジのフレッシュジュース、それとブリ―チーズを週末に買っといて普段の朝食にしていた。そのパンを3センチ幅に切った断面にクリーミーな白カビチーズをのせてトーストする。市営バスに乗ってTiffanyと目と鼻のさき5番街に面した事務所に着いたらコーヒーが待っている。ニューヨーカーの仲間入り。ところがところが3カ月後にハドソン川の向こう岸に移転。それからが大変。リバースコミュートなのですが渋滞が当たり前のリンカーントンネルをくぐって自動車通勤することになった。いきなりアメ車を運転してですよ。タイムズスクエアのHMVに入って目についたのがブリちゃんのアルバム。内1曲を英語の勉強ということで毎朝トンネルに入ると同時に口ずさみ、一回で通り抜けたらラッキー。渋滞がひどいと、4,5回歌うこともあった。そんなわけで、帰国後カラオケでブリちゃんを歌うことになり、銀座のバーではキープボトルの名札はブリちゃんに。ジャンボ宝くじで一等当たったらリビングをブリカフェにして、彼女お気に入りの抹茶フラペティーノ、澄んだ声のBGM、ファンクラブキット、アルバム等々の展示、地下室はカラオケルームに。ただし、曲はもちろんブリしばり。売りは年に一度本物を呼んでデュエット可と、夢だけはまだ持ってます。ストレスだった運転も日が経つにつれ景色を楽しめるようになり、四季折々のセントラルパークを横切ると映画のシーンの中かと大それた錯覚に陥る

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Sex and the city のロケと同じ空間にいると不思議とパワーがもらえるのです。 

(ブルーミングブルームで購入。Fクラスのようにフラットになります。)