流行り

自動車の新車や朝ドラの主題歌、次のが出ると急に色あせる。○○ロスなんて、人の噂も七十五日、いやそれよりもあっさり消えて行く。供給側の戦略に思える。モデルチェンジ、年式落ち、新番組の予告編なり、大衆を誘導するコマーシャリズムが勝っているのだ。ただそれでもしぶとく生き残ているものはある。個人やグループでれぞれがビンテージとして受け入れられているものは違っている。流行りとは何か。ファッションショーには奇抜で実用性のないものが多いが、其れそのものよりもそこで人を取らえる何かが新しいかどうかだと思う。しっかりしたものはビンテージとして生き残っている。完成されたフォルムと言われる車、それはモデルチェンジのシリーズの最後ではなく途中にでもある。今でも自分が選んだEとSクラスはそのシリーズのなかで完成されたフォルムだと思っている。買う時のタイミングがたまたまの巡り合わせと言えばそうなのだが、迷いはなかった。二代目をSにしたのは、Eはすでにピークアウトしていたからだ。一方Sは完成されたフォルムだったのだ。いつかネットでの過去の自動車フォルムでランキングされているに違いない。箪笥の奥で眠っていた衣類もしかり。当てたと思って買った服は今着てもそうおかしくはない。もちろん他の人とかぶることもない。さて、人間なら。自分のような人間、自分のような生き方、決して流行ではないし、マジョリティでもない。でもちょっとはビンテージっぽい評価があるとうれしい。余命を感じるときはビンテージについて思う。すると、あがこう、生きている限りあがいてやる、あがくべきか。あがくのが生きている人間の業だ。なんてすぐ硬くるっしい思考に向かってしまう。兎を追っちゃう悪い癖です。ビンテージは程遠いですね。

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(上:ビンテージのハル君を思い出しました。下:今年もリビングの窓際に咲き始めました。背景のブラインドは最近再放送された人気刑事ドラマに映ってました。)