たこつぼ

ふとした瞬間、ハットする発見をすることがある。日課となっている朝六時の体操、一階の和室での発見。床の間に去年から蔓で装飾してある花器を置いている。遠い以前はトイレの棚に、去年までは物入にしまってあった。蛸壺のような形で、蔓がロープのようで漁師さんが海に沈めるしかけとして使えそうである。昨日までの30年、その蔓が単なる飾りやデザインとおもっていた。が、その花器を横向きにしてみたら、蔓が座布団のようになって座りがよい。ビールジョッキの取っても90度回転すると手提げになる。ひょっとしてこの花器の製作者の意図は横向きにも使ってよとのことか。いやむしろ横向きが主なのだと元々の売り場に展示されていたのかもしれない。自分の頭が30年間蛸壺のなかで萎縮していたのだ。その日ついでの発見もあり。トイレの液体せっけんを詰め替える白い陶器。洗面台での水栓との位置関係を少しずらせてみた。これが絶妙のバランスとなってダサさが消えた。今までがなんだったんだろう。イレギュラーがあったり、ミニチャレンジによて突如の発見がある。ことに料理していると、失敗があらたなる味の発見を生む。偉大なる発明家は失敗の数ではだれにも負けないそうです。彼らは失敗群にほんの少し混じる発見のためにチャレンジする。かえって良くなるリカバリーショット、塞翁が馬的な。だとすると最近特に多い勘違いやど忘れ、自覚のない奇妙な行動についても悲観することはないのだ。終活のなかでみじめを感ずることごとも幸福の前兆かもしれませんよ。

f:id:toyotac:20190809165126j:plain

f:id:toyotac:20190809165200j:plain

(上、下、どっちが主だと思いますか?オアシスを使って、横向きに生花が張り出しているのを想像してみましょう。製作者の意図はきっと下ですね)