ワンランク下げる勇気

役職定年で関係会社に移籍して最初のランクダウン体験は出張時のホテルだった。いわゆるビジネスホテルになったことだ。ただ当時はやりだした大浴場付きやバラエティー豊富な朝食ビュッフェの楽しみ、すぐになじんでしまった。悪くない、と。ウクライナ侵攻とコロナ禍、それと円安による食品の値上げラッシュ。小麦粉高騰の影響で食パンの値上がりがひどい。3年であれよあれよの1.5倍。だから以前の価格で買えるパンにランクを下げた。悲壮感はない。生き残りのための積極的ランクダウンである。退職してからは機会あればワンランク下げる試みをしてきた。老いがその勇気をくれている。気にならない。むしろなぜもっと早くからとしばしば思う。でも一定の品位というかこだわりというか、落としていないものがある。その一つはオリーブオイルである。イタリア産を守っている。違いが分かるわけではないが、調理をするときでもイタリア産だとなぜかウキウキする。食材を何ランクさげてもだ。それとワイン。値段にかかわりなくフランス産。およばれに持参するワインはフランス産でしかもコルクの栓にしている。これは相手が持つ心証をおもってのこどだ。生活レベルを下げるのを消極的に思うか、積極的に考えるかで気分に天と地の違いがある。こんなことを大切にしたい。

 

(シャラの紅葉。二代目である。我が家の品位をかろうじて保つために二年前に枯れた初代の後放置できなかった。これもこだわりです。)