B/S,P/Lと外交

コンピューターの二千年問題が大詰めに近い頃ニューヨークへの転勤辞令があった。米国の旗艦現法の経理と現法群の財務を”見てまいれとの宣旨を蒙り”単身赴任と相成った。赴任して間もなくコントローラーという職種の米国人部下から会計ルールの説明を受けた。米国では期間損益を重視する観点から過年度の誤りを”B/Sで一括処理するのよ”と。過年度修正をP/Lでやると”当期の損益が歪んでしまうでしょう”と。米国会計は税務から独立していてルールを主導できるが、日本は税務当局の力が強く税務に引っ張られている。わかるわかる。一つには、米国企業のCEO職は流動性が高いことで、在任期間中の業績を正確に反映することが重視されている。かつては長期的視野に立つことが重視された日本企業も、最近は物言う機関投資家が大株主になるなどと、短期の損益を重視せざるを得ない傾向にありますが。今一つは、過去の処理のうまさである。米国、欧州もそうですが先進国は外交のテクニックが優れている。米国には donationするという世論を和らげる魔法がある。ここにもヒントがあるのかもしれない。翻って日本は donation に馴染みも深くないし、過去の問題の処理がうまくいってない。下手なのはお国柄かもしれない。そのあたりを西洋に学ばねば、本当の先進国とはいえないのでしょう。

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(ここしばらくキッチンを和ませてくれているハゼランと、何とか踏ん張ってくれているサボテンの子孫)