暗くなるまで待って

まだ暗いうちに、毎日ではないがトイレに行く。ド近眼の自分に眼鏡が不要になる。少し明かるいドアに向かって歩き始めてハタと気が付く。そしてヘップバーンの映画へと記憶がむかう。ローマの休日シャレードティファニーで、ほれぼれします。だけど、もし目の前に生の彼女があらわれたら、ちょっと怖いかな。一緒には暮らせないかなと。レンタルショップで’暗くなるまで待って’を探して、すこし距離を縮めようと試みた。クライマックスはまさにパラリンピックの競技に通じるものがある。そして自分は就寝中の尿意によって悟ったのである。

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(20年近く毎月通っている掃部山の能楽堂。富士山が見えるとはまったく気が付かなかった。関西育ちだから生の富士山はあこがれで、小6で6時間半かけて東京に向かうこだまの食堂車からでっかいのを見た時、初めてセレブを味わった。社宅の窓から、マンションのベランダから、そして自宅の二階から。小さい頭が見えるだけで感激でした。この時とばかりスマホを向けたが、映らない。肉眼では見えるのに。ツレが拡大したらというのでやってみた。映った。これからは何度もこの方角を注意してみる自分が想像できた。)