広島と呉

厳島観月能の余韻はあっても、新幹線が動く明後日の早朝まで、如何にとかせむ。ホテルを出たとたん台風がこっちを向いたのかと思える強風のお早う。目にほこりが入りそうで細い眼をさらに細めて行くほどに、これは早平和公園に着きにけり。原爆ドームのうしろから工事現場の恐竜の吠える声のような重機音、BGMかとしばらく誤解していたのも強風が冷静な識別機能をマヒさせていた。不気味に高低差のある川面の波を横目に橋を渡り速足で原爆資料館に向かった。正面に建つ本館の一階吹き抜けを囲む工事柵の手前を左折。そういえば、昨日の厳島神社の大鳥居も養生シートで残念だった。30年ほど前、トレビの泉も工事中で水がなく、コインであれができませんでした。朱色の大鳥居は以前に拝見したが、ローマへはいつかあれをやりに行きたい。リニューアルされたばかりの資料館は展示物との時代ギャップが新鮮でした。ロンドンの北北西に位置するコベントリーにあった和解の像がここにもあると五カ月前に現地の説明書きを読んだ。展示場所は本館を挟んで反対側の国際会議場一階、お目当ての現物を拝見しました。スマホを出して、コベントリーのと見比べてみたところ、ぬっ。何か違う。左右逆、試しに窓側から見たら同じでした。何か意図があるのでしょうか。市の担当者の方から丁寧な回答があり、設置の経緯からも特に理由はないとのこと。だから手違いではないのです。さてあと半日。呉の大和ミュージアム、行こう。広島駅の改札に着いた刹那、運転見合わせとの構内放送。線路の安全確認の為午後二時頃まで動かない。それくらいなら閉館時間まで余裕がある。大和と呉の町のことも大変勉強になったが、観光客の多さにびっくり。呉線で30分もかかるのに、さらに、韓国人旅行客が多い。ここには日韓関係悪化の影響がないのか。否、以前はもっと多かったなら、さらに発見ですが。

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(上:コベントリーの大聖堂にて 下:国際会議場の窓側から、だから正面からだと

左右逆になります。)