物を失う時

何気ない日常の中でコンタクトレンズを失う時がある。一通り見まわして見つからない。嘘だろうと何度も同じところを気持ちが萎えるまで探しまくる。きっとどこかに隠れているにちがいない。途中まではそれを支えに頑張るが、見つけられない。きっと想像もつかない近くにいるのだろう。捜査で言う初動の範囲からはずれたどこかに。迷宮入り事件の多くは初動の間違いと言われているが。これまで何度あったことか。自分は思い込みが激しいとよく言われる。いわゆる刑事の勘、ゆえに失敗もあるが逆に大当たりすることがある。刑事でもない自分もそう思うのだ。迷宮入りを解決するドラマが種明かしをする。当時の担当刑事とは違う窓際刑事が冷静に過去をたどりながら解き明かしてゆく。最近のコンタクトのシステムはサブスクで予備や替えが容易で、失うことそのものは些細なこと化している。こんなところでおおげさに持論を述べてもとお思いでしょうが、先入観、思い込みもほどほどにということを常に肝に命じるべしということでしょうか。

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(ロンドン郊外、クロイドンで暮らしたときに、妻が始めた趣味。遺作を地下室に展示しています。)