Newark発Heathrow行きのオーバーナイト便。照明を落としたジャンボの二階席。耳元で英語のささやき。”マッサージを希望されますか？” その刹那、”No thank you"って偽りのノンしてしまった。YouTubeのブリちゃんは水色だけど、彼女は赤の制服。いつもこれで後悔している。こんなことでは中の上で一生を終えない。大西洋をまたぐ地球一周は三回。９０日ならぬ一週間。お供はショルダーストラップ付の大き目のバック。社会人になったらアタッシュケース。やはり革張りがよいと思ったが日本じゃめちゃ高い。で、会社持ちの研修で米国にて購入。今や幻のトラベラーズチェックを使った。かっこよさを追求すると機能性が落ちる。結局あまり使わずさりとて捨てられず今も断捨離をまぬかれている。キャリーバックも買ったが結局一番距離が伸びたのがショルダー。一週間の海外出張も機内持ち込みのこれ一つで間に合った。プロジェクトメンバーで一緒に飛び回った気取り屋のT君も自慢のキャリーからストラップに転身。あまりの身軽さに、ボーイッシュで若干タイプの課員からはに、カッコいいですと。それだけで中の上気分になった。入社１０年ほどはドメ組だったが３０代から一転海外出張が多発。土曜日にシンガポールから戻って、月曜日にはロンドンというのもあった。デンパサール行きのチケットを依頼したら、担当者から誤解をうけた。通常はシンガポール会議だが、蚊が大量発生する閑散期のバリはホテル代が激安で予算を下回ると説明した。ジェノアからマルセイユの代理店に向かうには鉄道がよいとのすすめにしたがって、地中海沿岸を陸路で移動した。リビエラからコートダジュール、途中でチェロを抱えた日本の女性と同じコンパートメントで遭遇。日本人ビジネスマンと見てフラン換算相場を尋ねられた。名刺には名の知れた東京の楽団とあった。ニースで降りるときに手伝おうとしたら、自分でと軽くかわされた。流石プロと漏らしたら、そうではないのですがと。当時まだ３０代だったけど、彼女のタイプではなかったようだ。出張では一週間でもショルダーで済ませていたが、これから行くラスベガスへはそれなりのカバンでないとかえって不自然。入管でマークされるのもつまらない。自分としては十分すぎるMサイズの６０リットルを購入。ブリちゃんグッズをいっぱい詰めて持ち帰れる。だって、外だしじゃ人目もあるでしょう。と思いきや、何ということでしょう。公演中止のニュース。Mサイズは購入済みなのに。
（上：地下の物入に眠ってます。下：一番活躍してくれました。）
