祇園甲部again

非日常でネガティブな一日。まずは朝食の食券を持つことに気を取られて向かったビュッフェの円卓。ポケットの財布と一緒にあれがない。人生初のロックアウト経験でした。さて京都観光開始。最初は上賀茂のはずれの正伝寺。ハリウッドスターが穴場と言った名刹。拝観者入り口に小さな銅鑼を二つたたいて寺の人を呼ぶようにとある。これ京都のお寺?。皐で七五三の枯山水狩野派の襖絵オリジナル、伏見城切腹した武将の血の跡がのこる床板を移設した天井。これらを一人っきりで満喫した。帰りの参道にはハイドパークにいるような大きなリスと黒いアゲハのお見送りも。ロックアウトも帳消しです。ところがバスの揺れに平和な脳が反応したか、お寺のノートに残した日付は間違いかもと。”この後、上賀茂社賀茂社桂川、そして祇園甲部”と記入して名前と日付7月7日(日)。駅やホテル、お寺まで七夕一色だったので、最後の記帳者の日付につられて。でも今日は8日ではないか。やっちゃった、後の祭り。上賀茂下賀茂のあといったんホテルにもどって、夜の部に備えてのリフレッシュ。夕食は桂川沿いの天ぷら屋。先代が川漁師だったらしい。さて、本日のメインエベント。芸妓さん、舞子ちゃんたちとの時間が始まったがその矢先、サイレンがお茶屋の前を通りすぎて数軒先で止まった。まもなく白い煙と七輪のくすぶりのような臭い。窓の下の通りには人が増えてきた。黒い煙がもくもくと出だしてサイレンも増えてきた。それでも芸妓さん、舞子ちゃんは踊りをはじめた。その集中力はやはりプロ。一方こちらは外の野次馬の雑音と三味線が混じってお尻が少し浮いている。舞が終わってこれからお遊びというところでついに避難勧告。お茶屋から出ると外人観光客がスマホをむけてくる。その前を我々一行は舞子ちゃんの住んでいる置屋に向かってしばらく様子を見る。頻繁に鳴る電話の合間にスマホに送られてくる最新の現場の炎を見せてくれた。去年に続いて再び祇園甲部にやってきたが、やはり罰があたったのだ。現役時代でも贅沢極まりないのに、今や自分は年金生活者ですもの分不相応もいいとこです。今回のことで吹っ切れました。もう永遠にさよならしなくっちゃと。

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(十五年前にいただいた胡蝶蘭。葉っぱ一枚にまでになったのを、何とかもう一度花をと植え替えとかしたら、ようやく二枚目が。超うれしい。)