シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ

必要に迫られとはよく言ったもので、家事をするようになってケーキなどのデザート類、食のなかでは不要不急ものはやらなくなって、昼飯、夕飯に精をだしている。時々思い立ったように、食材に糸目をつけないで、後かたずけしない男の、いや夫の料理とは次元の違う主婦の炊事である。どっちが卵か鶏か、ケチなのか、それとも自分の好きなものを作れるようになったからか、他人に付加価値を与える外食や出前は特別な機会だけにしている。それで自分としては納得している。40代のころ作ったケーキにシュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ、フランボワーズのムースケーキ、それのキウイ版、今作れるかって? 作ってみようなんてそんな気になる自信は今ない。あの頃、30代婦人雑誌から我が家のホームパーティー特集で妻が取材をうけたりした。主人が作ったケーキやカクテルですと自慢していたが、100パーセント嘘はなかったのだから面白かった。近所で料理教室をしている方に、ひょんなことから昼食のデフォルトメニューとしているオムライスを披露した。男性向けの教室はじめるから来ないかといわれた。私には人に習ってまでという気はまったくないのでお断りした。理由は主婦なのだから。分かりまっか?。

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(上:カクテルの奥に見えるのがフランボワーズのタルトケーキ。実はもう一つ其れのキウイ版もつくったが、どういうわけかゼラチンが固まらなかったので没に。下:

妻の遺作シリーズ)