機上で涙ぽろぽろ

ホバートからシドニーに、国内線エコノミークラスの座席は左右3っつずつ。あの時もトイレのことを考え通路側を選択した。窓側と真ん中の席には少し年下の60代くらいのカップル。通常男の方が真ん中にというか同性の隣に座るようだ。日本と同じように飲み物程度のサービスで時間がたっぷりある。いつも常備している文庫本をとりだして続きから読み始める。ちょうどいいところだったのか、すぐに涙が出始めてとまらなくなった。隣の男性の視線を気にしながら、拭こうか、手かハンカチか。手の方が気付かれにくいかと、指先でそれとなく。でも頻度が増したので気付いたにちがいない。涙がとまらなくなるのは、コンタクトレンズの装着不具合の時か、映画、テレビ、本とかで感動した時。なぜか悲しいときに涙が出たことはあまり記憶がない。趣味の能の謡を自習しているときも、続けられなくなることがたまにある。タスマニアでの乗馬レッスンが所期の目的を達した満足感と母国に向かう安堵感もあたったのだろう、異常な量だった。疲れ目には涙が一番などと、自分への言い訳も考えながら、充実した2時間となった。ちなみに着陸後空港出口のカフェで昼食にミートパイを食べながらの汐待、1時間。まだまだチェックインには早すぎたが、運よく部屋が用意されていた。で、部屋で続きを読んで、また涙。

(引き続きタスマニア、オーフォード。日本にもこんなとこきっとあるのでしょう。

 自分が知らないだけ。90まで生きていたら、国内のそんな所に行ってみようとぞ

 思う。)