引いてもダメなら

押してもダメなら引いてみな、が普通なんだけど、今回は違った。ホバート空港に着いてシャトルを呼ぼうと電話したのに出ない。仕方なく3倍料金のタクシーでそのダメ評判のホテルに到着。うがいとかいろいろしているうちに、洗面台の排水栓が閉じたままで開かないことに気が付いた。どこにも開閉の操作レバーが見当たらない。流石ダメホテル、欠陥工事か。乗馬レッスンの終わる三日後にもう一度戻ってくる。同じ部屋でないことを祈りながら洗面台に向かった。排水栓が3ミリほど浮上していた。で、おもむろに押してみたら栓が閉じた。それを押すと開いた。アー疲れた。なんで気付かなかったのよと。久々に礼服を着た時もそうだった。ウエスト調整型のズボンがきつくなっていたので、調整しようといくらレバーを引っ張っても動かない。諦めていたところでふと押してしまったら、摩訶不思議。アー笑っちゃった。さかのぼること40年ほど前。いとこの結婚式にその弟の車で安曇野まで連れてってもらった。当時まだ外車が普通でなかったが、彼は不動産関係の仕事で必要なのだと、髪型はパンチパーマだったので、ちょっと違うような気もしたが、アメ車に乗せてもらうのも悪くなかった。その車がパンクした。持ち上げるジャッキも日本のとは違って、あげるのは簡単だったが、下げる方法がわかるまで30分以上かかった。諦めかけた時にふと手が当たってレバーを上げてしまったら、一段さがったのです。下げるのに上げるなんてと。アーほっとした。思えば人生もこんなことの繰り返しかな。そのときの爽快感。まだわかってない、気づいてないこともたくさんあるのだろう。その都度の快感、この先いくつ味わえるかなと。

(トイレの窓のブラインド。いつもは上にあげているが、女性のお客があったので

 こんな風に使ってみた。悪くない。これも何かのきっかけで気付いたこと。)