便器のエレガンス

クリスマスシーズンにFクラス二泊四日で往復したニューヨーク。テレビで見るあのタイムズスクエアはほんの3が月で一変している。歩いて渡ったブルックリン橋の人混みも今は嘘のように橋板が幅をきかしているのでしょう。9.11の時に味わったマンハッタンとは違う。相手が顕微鏡でないと見えないのだ。もし、20年前のことだったら。アッパーイースト7C号室の部屋に一か月独りで閉じこもっている自分を想像する。1999年6月に突然の辞令。家族と建築中のマイホームを残しての渡航。運命を柔軟に受け止めなければと冷静を務めようとした。単身ですむアパートの決め手は便器だった。ジバンシー風のシャープなエレガンス。そのアパートはあの辺りには珍しく道路からちょっと奥手に広がって玄関があった。当時のでっかいイエローキャブがUターンできた。イーストリバー沿いのお洒落な建物で、すこしお高いとか迷いはあったが、部屋に案内されたときに見た便器が背中を押してくれた。こんなシェイプ見たことない。折角のニューヨーカーの仲間入り。人との出会いも決め手は’便器のエレガンス’的な直感なのかも。

f:id:toyotac:20200417153017j:plain

f:id:toyotac:20200417153118j:plain

(我が家の玄関わきのトイレ。あの便器のエレガンスは持ち帰れませんでした。)