Fクラスキャビン

貧乏大っ嫌いな女の子が東京の美容室でオシャレに変身して空を見上げる。自分にあるのはこの美貌、これで勝負するしかない。ターゲットは上空のFクラスキャビンにいる。月9ドラマの初回のシーンである。方や65歳定年と同時に男やもめとなった自分にあるのは知性と品格。これで勝負するしかない。FクラスにはCAが少ない。最近のビジネスクラスは個室化している。人恋しい高齢者お一人さまにはエコノミーが嬉しい。そうだ、自分は地上で、ターゲットは乗馬クラブにいる。50を過ぎてようやく犬との距離が縮まってその乗りで動物全般に抵抗がなくなった。精神病の治療に乗馬セラピーが効果的らしいが、とてもやさしい癒し系の目をしている。タスマニア島で三日間乗馬の特訓を受けようと教室と宿舎を予約した。新婚当時には、ともに白髪の生えるまでと言っていたが。男はすっかり白髪になったものの女の方は途中一時茶色いことはあったが、遺影は黒髪で今後も変わらない。神様のルールを知ってしまう所に行っちゃって、雲の上から男の行く末を知ってあざ笑っている。Fクラスに用意されたリラクシングウエアでコーヒーカップを片手にドヤ顔のまま時間が止まっている。毎朝見るたびに負けてなるものかと、写真に生きる勇気をもらっていると思うのはあまりにもやせ我慢なのでしょうか。

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(初めてのFクラス体験は香港台北間。航空会社の都合でアップグレードに。

 その香港で買った茶器です。)