ハングオーバー

飲みすぎた翌日の嫌悪感、体、特に頭と胃の不調と不快感は心までも打ちのめす。風邪の症状なら肉体的にはつらくてもみじめ感はない。救いは夕方になれば回復に向かうこれまでの経験則である。夜が近づくと霧が晴れ潮の引くように楽になる。二日酔いに特効薬はない、あっても大したことはないと聞く。ひたすら時間がたつのを待つしかない。またやっちゃったを何度繰り返せばよいのやら。懲りないとはこのことか。ならなんで止めない。苦しいが一日の辛抱。不思議なことに間もなく後悔も薄れている。当日の高揚感と翌日の嫌悪感のオフセットでバランスを保っているから止められないのだと思う。例によって思い込みかもしれないが、酒の効能とは。脳神経が髪の毛のトリートメントよろしく枝毛をなくし、艶よく整えてくれるようなものではないかと。日頃の悩みやストレスで荒れた神経を正常にもどし、心の病に至る一歩手前で待ったをかけてくれている。との解釈で未だたまーに深酒をやっちゃうのである。と言っても心がけていることがある。酔った勢いでも決してやってはいけないことがある。人を不快にしてはいけない。度が過ぎてもいけない。それはそれは日頃から体に言い聞かせている。以前こんなことがあったからである。タクシーをケチッって電車の座席に座ったのがよくなかった。隣にいた女性の”何すんですか!”という声の刹那、駅名のアナウンスで慌てて下車した。捕まらなかったのは、咄嗟に御免といったことで許してもらえたのか、夢だったのか? いずれにせよ、それ以降肝に銘じている。こんなことがあったのは天からの警告。大失敗しないうちにうまく抜け出さなくてはと思いつつも、限りある贅沢な日々を楽しんでいるのが正直なところである。

f:id:toyotac:20181130122409j:plain

f:id:toyotac:20181130122458j:plain

(グラスは敢えて見せない。バーカウンターはスッキリシンプルに。)