お知らせ

数日前の良いお天気の日に今年の花粉症が始まりました。英国流にワセリンを鼻の穴に塗っても、マスクをしてもくしゃみ鼻水がとまりません。目もかゆいのなんのって。そもそもの発症は33年前にさかのぼり、帰国辞令がでたあたりでした。駐在生活を満喫しているさなか、同期達みんななった課長昇進もなく、ショックで歯槽膿漏か歯茎がはれて、ダメ押しの花粉症の発症。初めての症状に戸惑と驚き、よくもこんなにかさなるものかと、泣く泣くヒースローを離陸した記憶は鮮明。ジャンボ二階席ビジネスクラス後部左側の4席だった。当時日本はバブルがはじけて、親戚も破産に追い込まれるなど、とにかくいいことなしでした。ところがです。会社の広報室から駐在記連載の依頼があり、これが思いのほか好評で社内での株が急上昇したのだ。特に見返りはないものの、大きなこころのボーナスをもらったのです。世の中捨てたものではないと最初に思ったのもあのころだったような。花粉症にまつわるお知らせでした。

(室外機、24年頑張ってくれている。ご苦労さんです。フロンガスなので

 コンプレッサーの修理ができないのです。だから、もう少し、頑張って!)

マッターホルン

早朝LINEでマッターホルンの写真と360度を撮影した動画が届いた。正直、クッソーと声がでた。いまだウイッシュリストから消えないマッターホルン。妻から相続したマイルが底をついて、年金生活者には次の予定が立てられないでいる。ただ、参考になったのは意外と簡単にその雄姿をみることができるのだと分かったことかと。要すれば天候次第。コロナ直前にイエローナイフにオーロラを見に行ったが、天候不良でかなわなかった。悔しいがウイッシュリストから削除した。未練はのこるが行ったことは行ったのだと、心の整理はできている。まだネッスルと称していたインスタントコーヒーのCMで目に焼き付いている。いつか見に行ってやろうとすでにウイッシュリストに載せていた。ロンドン在勤のときだったら気軽に行けたのに、ユングフラウヨッホだと思い込んでいての失敗。竜安寺天竜寺の勘違いのように、思い込みで失敗する悪い癖、そのころからはじまっていたのだ。エジプトのピラミッドやクレムリンも残っている。クレムリンはマイルがたまってもいつ行けるか全くわからなくなってしまった。ドイツより東のヨーロッパは自分にとって未開の地である。優先順位を誤ったのが致命的である。とはいえねちっこい性格なのでウイッシュリストの裏面にでも残しておこっかとしている。どうしようもないのですね。

(久々の積雪。マックスとチョコを思い出す。足跡がないのがさみしい。一年一か月、

 と一年11か月前、過去の人、いや犬となったのであったよのう。)

深夜の長電話

携帯電話など世の中にはなかったころ、深夜に長電話するのが自慢な時代だった。女子大の能楽部の流友と一時期ときどきやっていた記憶がある。内容は全く覚えていない。おそらくは今でいうガールズトークやチャットのような軽い内容だったにちがいない。それにしても1時間、よくキープできたものだ。青春より以前の子供っぽいにおいがする。毎週スポーツクラブでグループレッスンを受けているが、男性が同世代の高齢の女性とよくしゃべっている。たわいもない内容に聞こえるが、自分にはそれができない。まもなく啓蟄、彼女の誕生日。卒業してからは数年間、おめでとうだけの短い電話をしていた。懐かしい。真面目なのか不器用なのか、内容がないとクラスメイトに話しかけられない。自意識過剰かも。自分は人より体力が劣る、自信がないのでスキルでカバーしようとコーチの指導に集中していて、クラスメートとのチャットが煩わしい。だけど、うらやましくもある。友人を酒飲みながら深刻な話や中身の濃い話題ばかりしているわけではない。考えないようにしているが、考えてしまう。手に負えないこんな自分に救いの手をです。

(やっと咲いてくれた。これだけで終わらないでほしい。他の球根も続いてほしい

 のに。)

 

 

午前4時起き

羽田/金浦便は往復とも早朝便しか運航されておらず、行き帰りとも4時起きとなった。起きれなかったら大変と、追加の目覚まし時計やモーニングコールの依頼、すべてやったが、不安と緊張は極度に。起きれてよかったの一語に尽きる。日頃はつい夜更かしして、深夜1時をすぎることがざらである。このままだとアラーム音が聞こえない。そこで、一週間前から11時にはテレビをやめ、12時にはベットに。そして出発前日はそれを一時間繰り上げた。ああ面白かったと無事帰国したものの、家事のサイクルが飛んだ分、部屋風呂トイレの掃除と洗濯、バックログをやっつけて日常への帰還はパワーが必要。以前弁護士から教わったのが、元に戻すには修復の痛みが必要だと。すんなりとは行かないのだ。部屋風呂トイレの汚れは二週間分、洗濯は続けて3回やらないと洗濯籠が空にならない。それでも非日常は大事。たまには上下にぶれないとつまらない。イレギュラーは大事です。気づきや感謝は日常に遭遇しがたい。発明の多くは失敗によるイレギュラーがきっかけというように、あえて非日常のインパクトを求めるのは生きてゆくうえで大事なんだと思う。面倒くさいと思わすに非日常にチャレンジしましょう。

(さて、最初に聞こえたのはどれでしょうか? ブー、スマホでした。)

ソウルで韓定食

コロナ前に予定していた韓国旅行、ついに実現しました。ハングルが読めない不安でこれまでの流儀はすてて、公共機関は使わず、送迎付き昼食付のツアーを選びました。流ちょうに日本語を話すガイドさんに案内されたのが古い家並みが残る地域での韓定食。辛さはさほどでもなかったものの品数の多く、全部おなかに収まるのか心配していると御飯が出てきた。これであとデザートとなるのです。実はそのご飯、黄色いいろした粟が混じってて、なんとも言えないほどおいしかったのです。ガイドさんも同感だったので、隠れた名店だったのでしょう。韓国旅行の目的は韓国時代劇のドラマセットを見たかったのともう一つ、青い瓦屋根の大統領府を見学することにあった。ついでに乗馬もと欲張ったが、日本語も英語も通じないことがわかり断念した。ガイド付きのメリットは現地の人のお話がきけること、もちろんガイド仕事の範囲であり生の声とは言えないまでも大変勉強になった。距離的に近く短い海外旅行ではあったが、得たものは大きかった。海外ドラマでは少し違和感のある場面があるが、そのあたりも少しはわかったような気になった。時代劇衣裳体験も一緒に付き合ってくれて一人旅を忘れさせてくれました。ガイドさんありがとう。

(日持ちがよかった花を、このようなマグカップで残すのも良きかなです。)

マイ インターン

妻に先立たれた高齢者が余生を幸せに過ごすには、再婚や異性のパートナーがマストなのだろうか。テレビのドキュメンタリー番組で、結婚しなかった高齢の男性が、趣味があって、年齢やジェンダーに関係なく信頼関係にある友人が何人かいれば幸せなんだと言っていた。ダンディーな俳優さんが言うには高齢者は密かに片思いをすればよいのだと。それが楽しいのだと。刑事ドラマでは勝手な思い込みで若い女性に告白してかなわず殺人に至ることもある。ふとレンタルで見たマイ・インターンというコメディードラマを思い出した。ジェンダーと年齢を超えても信頼関係は築けるのだと。大上段に構えていた自分が急に楽になった。マイタイプの女性ともなるとどうしても再婚やパートナーとかを意識してしまっていた自分が苦しかった。典型的なサラリーマン人生で現役のころはそんなこと考えもしなかった。退職後、趣味やボランティア、ご近所の付き合いとかで信頼関係のある人が数人いるじゃないか。これで十分幸せに暮らせるのだ。っと、頭では理解できても、心や体には違和感がある。だから、一生懸命あがくしかないのだ、高齢者よ。

(なんやこれ、っていわれそうだ。でも自分としては気に入っている。長持ちする花

 を何本かでお願いしますといって選んでもらった。実にコスパの良い花たちだ。)

 

私の意地

意地で続けていることの一つが、妻の遺影に花を切らさないことでもう5年半にもなる。基本は庭に咲く季節の花1,2輪。簡単ではないが、これがちゃんと暮らしてるとの証と思って続いている。例外がある。命日には白のカラーの花十本。正月には花屋に行ってブーケ調のちっちゃな花束を。こだわりは正月飾りっぽくないやつである。母の日には息子からカーネーションが届く。白のカラーには思い出がある。単身赴任でイーストリバー沿いのアパートに住んでいるころのこと。自称通い妻といいながらやってくる久子と街中を歩くと、白いカラーの花を何本も無造作にガラスの容器にって、おしゃれな店が目に刺さる。これがニューヨークなんだねと、記憶する。棺を飾る花に白のカラーを追加した。毎年だから駅の花屋さんに覚えられてしまった。いつもありがとうって。春から秋までは苦労しないが、正月のお花がしおれる今頃が困る。山茶花はほぼ終わっている。球根の水仙まではもうすこしか。ようやく見つけたクリスマスローズの白い小さなつぼみが頼りだが、正月のお花のカーネーションが頑張ってくれている。思った以上にたのもしい。あと少しだけお願い。

(我が家の山茶花は正月明けともなると、今にも散りそうな花が一、二輪残っている

  だけ。日当たりの良い庭のお宅のキンカンの実が緑の葉より目立って美しい。)