私の意地

意地で続けていることの一つが、妻の遺影に花を切らさないことでもう5年半にもなる。基本は庭に咲く季節の花1,2輪。簡単ではないが、これがちゃんと暮らしてるとの証と思って続いている。例外がある。命日には白のカラーの花十本。正月には花屋に行ってブーケ調のちっちゃな花束を。こだわりは正月飾りっぽくないやつである。母の日には息子からカーネーションが届く。白のカラーには思い出がある。単身赴任でイーストリバー沿いのアパートに住んでいるころのこと。自称通い妻といいながらやってくる久子と街中を歩くと、白いカラーの花を何本も無造作にガラスの容器にって、おしゃれな店が目に刺さる。これがニューヨークなんだねと、記憶する。棺を飾る花に白のカラーを追加した。毎年だから駅の花屋さんに覚えられてしまった。いつもありがとうって。春から秋までは苦労しないが、正月のお花がしおれる今頃が困る。山茶花はほぼ終わっている。球根の水仙まではもうすこしか。ようやく見つけたクリスマスローズの白い小さなつぼみが頼りだが、正月のお花のカーネーションが頑張ってくれている。思った以上にたのもしい。あと少しだけお願い。

(我が家の山茶花は正月明けともなると、今にも散りそうな花が一、二輪残っている

  だけ。日当たりの良い庭のお宅のキンカンの実が緑の葉より目立って美しい。)