本場のフーターズ

フーターズが日本に上陸して間もないころ、京都の一見さんお断りに誘ってくれた友人はその頃まだ青森にいて、学会の出張とかで上京。予定に空きがあると言うので、一つ下の後輩と三人でフーターズに行って盛り上がった。男同士の飲み会は、少しはアトラクティブなのがよいかと、前回は神楽坂でお姉さんが三味線を聴かせるお店だった。フーターズは勤めていた会社のコーポレートカラーに似ていて、それを敢えての理由として若手社員をさそったりで、数回ほども使っている。そんなフーターズの本場アメリカに行くならと、宿泊したホテルからは少し離れているのにいそいそと出かけた次第。ところが日本のと違っておじさんおばさんたち中年カップルがちらほらするファミレスだった。コスチュームはそのものであるが、ダンスタイムとかのアトラクションがなかった。隣接するカジノのディーラーも同じ格好をしている。これは他のカジノにはない。ホテルもカジノもレストランも、そうフーターズの施設なのだ。いやここは本場の本場ではない、本場はニューヨークか。でもこの辺で好奇心をフリーズしよう。ニューヨークのは外から見る限り敷居が高すぎる。そんな翌日、悲しいことがあった。長年愛用していたマフラーを失くしてしまった。これまでもいつかはこんな時はと、普段コートのポケットには入れないようにしていたが、久々の時差ボケとショーの開演時間が迫っているとの焦りでやってしまった。建物がでかいほど、実際の距離は長く、そこに見えているのにやたらと歩いて時間を食う。ショーの方はぎりぎり間に合ったが、マフラーには御免、でもありがとうと心で思うしかない。断捨離とは違って不注意が原因であるから後悔がのこる。この時期珍しいという異常気象で予想にはない寒さだったので、チョコレートショップで目にとまったマフラーを衝動買いしてしまった。ハルが亡くなって日も浅い頃に、マックスとチョコを飼うことにしたのと同じか。しばらく尾を引きそうだ。それもリスペクトのかたちと、よいことにしよう。

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(ラスベガスとは逆に関東地方は三月並みの陽気だった。上:クロッカスがきれいに。

下:アジサイの新芽も。)