アート II

どうしたことか、美術館ではいつもスルーしていた近現代ものをdeepに鑑賞した。昨日のMETで物足りなかった何かを求めていたのかもしれない。作品の前にあったベンチにいつの間にか腰掛けていたご婦人。立ち上がって振り返った私を見た視線がニヤッとしていた。共感してくれたのか、それとも、なんやこの作品?てな感想か。タイプだったら思い切って声をかけただろうにと。ちかごろそんなシーンが多い。グラウンドゼロ、ブルックリン橋、ロックフェラーツリー、METとMOMA、ニューヨーク2泊3日の駆け足観光。マンハッタン中心部のホテルは静かだった。30年前出張の合間に駐在が案内してくれたマンハッタンは’怖そうな町’の一言だった。そして10年後、窓割れ理論を実践した市長さんのお陰で治安がびっくりするくらい良くなった。でも、静かとまでは。赴任後アパートが見つかるまでの約一か月間はマンハッタンでホテル住まいをした。細く高く伸びるパトカーのサイレンと図太い消防車のクラックション、一晩中聞こえてうるさかったのを覚えている。10年さらに20年大きく変貌している。米国一の都市。ご無沙汰している月日の重みがずっしりと記憶に響いてくる。

f:id:toyotac:20200117175536j:plain

f:id:toyotac:20200117175613j:plain

(上:結婚の祝いにシャガールリトグラフが欲しいと友人に頼まれた。画廊にはこれしかなく、買ってみたものの結婚祝いの相場をはるかに超えていて、手元に置くことになった。下:デパートで目にとまった。買ってくださいとこの絵が訴えてるようだった。衝動買いでした。)