貴方は面白くない

50歳誕生日間近のこと、地球の裏側から唐突な電話の声、’貴方はおもしろくない’。これが自分だから変えようがない、と返事はしたものの、ぞろ目の66になってはじめて面白くなりたい自分がいたと振り返る。小さい頃からのコンプレックスは自分や家のことを人に言えないこと。それを周りに知られたらとびくびくしていた。普通とは違う側にいる自分。耐え忍ぶことに慣れてきた自分。お近づきになりたいなと思う人は夭逝したり、はるか遠くに行っちゃって。今頃になってやっと解放されたと思ったら健康年齢があとマックス20年もない。以前趣味の会でのこと。君の謡は上手だが面白くないといわれ、スッキリしないでいた。自分は面白くない人間なのか。面白くなきゃいけないのか。面白いってなに。ときどきだけど、なるほど面白くないと思う時がある。こんな自分のようなのはどの程度の割合で存在するのか。無理におもしろくはできない。作るって疲れるよね。ところが、去年夏の発表会ではうれしいコメントがあった。自分ではパッとしないできと思っていただけに。姿勢が良く素敵なお声ですばらしかったですわ、次も期待しています。感情が伝わってきて実によかった。蛍を追うあたりが見て楽しかったと。あの日はいろいろあって、多少開き直ってたのかも。人生も万事そういうことなのか。こじんまりとノンミスで仕上げるより、多少の失敗があっても面白い方が好感度が高い。お利巧さんより、少々危なっかしい方が人としてチャーミングということか。自分が求めるタイプの人はそういうところにひかれるのか。面白くない自分からテイクオフ、いやまだまだ滑走路にゆっくりと、管制塔の指示待ち中。

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(このセーター、サイズをみるとL。自分のサイズはM。買ったときのことを思い出した。気に入ったが、女性ものだった。なかなか手放せないでいる。黒とのコーデも気に入っている。ブリちゃんの好きな抹茶フラペチにエスプレッソのトッピングですから。)