覚えこむまでのモヤモヤ

宝生流の仕舞を職分の先生に習い始めて13年になる。地謡を覚えて予習しながら一回一曲のペースで進んでいたが、いつの間にか、もちろん曲の長さや難易度があがっているので、いまでは一曲に平均3回教わっている。スマホiPadで先生の手本や稽古すがたを録画している人もいるが、自分は録音だけにこだわっている。そのため、覚えこむのに時間がかかっている。シテ謡いと順番を覚えて8合目となるが、そこまでのモヤモヤがなんとももどかしい。技術的には上達していると思うが、記憶力の低下が著しい。加齢によるものでしかたがないと頭では諦めているが、モヤモヤ感の払拭にあがいている。アヒルの水かきのように何度も繰り返すうちに確実に前進しているという感覚があるが、放物線のある地点に到達するまでがもどかしいのである。霧が晴れるまで長く感じられる。せっかちになったのか?それとも自分に期待しすぎているのか。毎回こんな思いをしながらい一曲また一曲と進めている。好きなればこそなんだろうなと。改めて思う時もある。理屈なしに好きになれるSignificant other は今いずこに?

(年老いたカマキリ君、かな? スマホを近づけても微動だにもしない。同年輩の

 人間だから怖くないのかもしれません。)