本番の衣装でテンションが

今思えばよくぞ50分もの長時間耐え抜いて無事やり遂げたものだと、自分を褒めています。初めての演能から半年がすぎ、ようやく余韻がうすれかけてきたところです。後で師匠から、頑張りましたね、一部からはプロが演じているのではという声もありますよと。話半分としてもうまくいったのだ。本番に臨んで師匠からは、演能は一期一会、成功させようとみんなで力を合わせる芸術なので、真摯に取り組んでくださいと言われていた。それはそれは気合をいれていたが、何より頑張れたのは、本番の衣装(装束)を見た瞬間だった。テンションが上がった、うれしかった。予備の舞台稽古、リハーサル(申し合わせ)、本番と、衣装が変わる。リハーサルの時でさえ、稽古の参考にしていたDVDの家元の衣装と違っていて、素人はやっぱりこれなのかと。ところが本番に用意されていた衣装はちがった。優雅な唐衣だった。人の底力はそんなところでスイッチがはいるもの。何かの拍子に湧く力。たとえになるかわからないが、結婚披露宴の花嫁の衣装、皆に注目されてライトを浴びながら入場する瞬間、純白のウエディングドレスは本人だけではなく周りもテンションがあがります。古希にしてこの経験、ありがたい。最近テレビでは認知症の予防には楽しいこと、ご褒美を期待して頑張る、そんなのが最良のくすりなのだと盛んに言っている。高齢化社会には能楽こそ必要なのだと政府に訴えたい。誰もがもっと手軽にできるように税金を使ってくださいと。

( バスルームにミニプラント。有ると無しでは全然違う。日当たりのせいか、
 つい水をやりすぎてしまうのか、長持ちしない。それでも懲りずに絶やさない
 ようにしている。)