転機の知らせ

妻が亡くなり、ほぼ同時に定年退職して三年、この間に家にあるいろんなものが壊れた。台所、風呂、居間の床暖、この三機のガス給湯器が順番に寿命となり、それに電子レンジ。幸い食器洗浄機とエアコンは修理で凌ぐことができた。新築して20年、よく頑張ってくれた。優れものは洗濯機と冷蔵庫だ。一度の修理もなく働いている。洗濯機は前の家で三年使ったものを持ってきた。人生の大きな転機に多くのものも転機を迎えている。いや、むしろそれらが自分に転機を知らせているのでは。不動産屋の方がおっしゃるには、10年、20年が様々なものの転機だと。自分の転機は、22歳で就職、31で結婚、32で長男誕生、34で次男、65で男やもめに。視点を変えると、36でロンドン在勤、46でニューヨーク単身赴任、54歳で子会社出向、そして65歳で放牧に。この先何度の転機に遭遇するのか、もうないのか。最近人間らしい生き方とはなにかと考える時間が増えた。それはひととのかかわりにあるのではないかと。幸も不幸もそこにある。日本の伝統的な終身雇用の仕組みに甘んじて、人とのかかわりの重みを意識しなかったのではと振り返っている。近頃は隣組の人たち、ボランティア活動や趣味の会で年齢、性別を超えた人とかかわりを深めつつある。65歳以前と違い、とても新鮮で気持ちが良い。できればこれを最後迄維持したいものだと願っている。

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東日本大震災のボランティアに必要で、足底に鉄板の入った靴を購入。今は長靴として余生を送っている。雪が積もったときは大活躍だった。勝手口に置いてあるので毎日目にしている。)